1.シェルナース効果調査事例

 

     三重県紀勢町には平成10年度と11年度にシェルナースが沈設されました。このNEWSでもよく取り上げられてきた紀勢町! 今年は設置5年という節目でもあり、この間の経過を振り返ってみます。


   平成10年度礁には大小様々な魚たちが集まっています。それは魚類総蝟集量(集まった魚の総重量)が増えている結果でも分かります。 しかし、なんと平成15年には大幅な減少が・・・・。でも心配ご無用! 漁獲対象魚種(メバル類、ハタ類、タイ類、イセエビ、アワビ類・・・・等々 あぁ〜 よだれが・・・・)の蝟集量では右肩上がり! おいしいお魚 増えています!

平成10年度礁の総蝟集量と対象魚種蝟集量の変化


    三重県の魚に指定されている伊勢エビ(和名 イセエビ)! この伊勢エビ君 シェルナースをとてもお気に入りのようで総蝟集量、総個体数ともに増加中です。
イセエビの個体数と蝟集量の変化 (左:平成10年度礁 右:平成11年度礁)


   前号NEWS7号表紙でも紹介しましたが、平成10年度礁に生えるカジメの量はどんどん増え、平成15年7月では魚礁1基あたりの推定湿重量が269kgとシェルナース全体を覆い尽くすまでになりました。
   海の砂漠・・・・。そんな風景が平成11年度礁設置海域で見られ、「こんなところに海藻が生えるのか・・・・・?」 それが私の印象でした。しかし、それから数年後の平成15年度調査では初めて魚礁上部に十数本のカジメが確認されました。 海底に生えないカジメが何故シェルナースに生えるのか? 不思議に思い魚礁周囲海底に多く見られる海藻の敵、ガンガゼの数を数えてみました。すると魚礁上部のガンガゼ分布密度は周辺海底の約1/20に!これはシェルナースの複雑な構造は、ガンガゼが魚礁上部にはい上がるのを抑制しカジメを守っているものと考えられます。
   魚を育て、海藻を守るシェルナース。砂漠の明るい未来を創生!?

上:カジメが生えてきた平成11年度礁
下:ガンガゼが多く見られた魚礁周囲
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