貝殻で作られた魚礁「JFシェルナース」により、貝殻が微生物や小型動物の棲みかとなり魚を育て、海を育みます。海のものを海に戻す、これぞ大自然の法則。
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シェルナースNEWS
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第09号(目次)
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■シェルナース効果調査事例
水産資源を増やすため、人工種苗が様々な場所で放流されています。放流されたばかりの種苗は、厳しい環境の変化や外敵の攻撃、餌の不足により放流直後の減耗が大きいとされています。
そこで、
キジハタ、カサゴ
などの重要な岩礁性魚類の放流種苗の受け皿として
シェルナース魚類放流型
を開発し、カサゴ人工種苗の放流効果を調査しました。
調査は三重県志摩郡大王町の水深20mに設置された魚類放流型に、全長7cm程度の
カサゴ種苗
約1000個体をダイバーによって放流し、放流1日後と21日後に魚類放流型の一部を引き揚げて中に潜入する
カサゴ種苗
を計数しました。その結果、放流から21日後でその
滞留率はなんと! 約40%!
と魚類放流型には推定で約400個体もいることが分かりました。これは魚類放流型に取り付けたホタテガイ殻を入れたメッシュパイプは内部に小さな空間を形成し、
カサゴ種苗
などの
小型魚類が潜入し休息する場所
や
大型の外敵が進入できない構造
を提供しているためであると考えられました。
捕獲した
カサゴ種苗
の群摂餌率(摂餌している個体の割合)を調べたところ、21日後には捕獲した
種苗の80%に摂餌が認められ
、その内容物を調べると
エビ類
や
ワレカラ類
など魚類放流型で増殖しているものと同じ種類の動物が確認され、
魚類放流型が餌場として利用されている可能性が高い
と考えられました。
以上のように、隠れ場、餌場を備えた
シェルナース魚類放流型
を利用して放流することで、
放流直後の種苗の生残率を高めることや種苗の放流サイズの縮小による中間育成のコスト削減が期待されます。
最後に本調査にご協力いただいた志摩の国漁業協同組合波切支所 森岡支所長、天白孝司氏に厚くお礼を申し上げます。
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