JFシェルナース
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貝殻で作られた魚礁「JFシェルナース」により、貝殻が微生物や小型動物の棲みかとなり魚を育て、海を育みます。海のものを海に戻す、これぞ大自然の法則。

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  漁業は大変多くの燃料を使いながら、生産活動を行うので、必然的に二酸化炭素の排出量も多くなります。しかし、漁村では、森を育て、藻場を造成し、生産に伴う廃棄物などのリサイクルを行っています。また、漁港の整備などにより、燃費が削減でき、二酸化炭素の排出量を抑えています。さらに、海洋自体が大きな二酸化炭素を吸収する器でもあり、多くの研究者が注目しています。
  そこで、函館市の旧南茅部町という町を取り上げ、町の主要産業である漁業や水産加工業の二酸化炭素排出量を計算してみました。また、町の森や藻場がどれくらい二酸化炭素を吸収するのかを計算してみました。下表のようになります。町には9つの漁港があり、漁港は一つで良いと主張する人達の整備の仕方と二酸化炭素の排出量を比較してみました。この表にある数字がどれくらいのものか分からないので、北海道の全産業の人が排出する二酸化炭素量と一人あたりの量を示しています。
  ここで分かることは、漁業は非常に沢山の二酸化炭素を排出していると言う点では、地球温暖化を進めている悪役と言えます。しかし、漁村が育んでいる森や藻場で同じくらいの二酸化炭素を吸収しています。これに加えて、水産廃棄物のリサイクルや、特に貝殻などをリサイクルすると排出量の削減に役立ちます。漁港の整備効果も非常に大きいものがあります。


  一つ一つの現象を捉えて、漁業や漁村の二酸化炭素排出量が多いこと、削減すること、吸収する要素があること等を評価する方法もあります。しかし、漁業の生産から廃棄物まで含んだ生産と生活の仕組み全体を考えて行くことが重要です。ここで排出を減らせば、他のところで排出量が増える等ということは頻繁に起こります。このように全体を捉えて評価する方法をLCA(ライフサイクルアセスメント)と言います。それでもまだ漁業、漁村の場合は評価するものが欠けていると思います。漁業と漁村を取り巻く自然の環境の吸収力です。森や海の藻場そして海洋の二酸化炭素吸収機能です。これら自然の環境も含めたLCAを研究していく必要があります。
  最後に平成20年1月23日に環境省環境研究所から発表された地球全体の陸域と海域の二酸化炭素の吸収量は、それぞれ10億トン、21億トンとなっており、海は陸域の2倍の量を吸収しています。

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