Weekly Column.4 【2003.02.28】 |
「戦場のピアニスト」(原題The pianist何で「戦場の」とかつくんだろ)を観てきた。戦争映画は苦手なのに、「見なければならない」という奇妙な使命感?のようなもので出かけて行く。そしていつも胸が詰まる。身体がこわばる。この映画では、内面を語る言葉がほとんど無い。だから、かえってどんどん深みへ入って行く。ピアニストの見せた生への執着という人間本来の本能を自分はどれだけ持ち合わせているだろうか。問い続けてしまう。
映画は、自分を映す鏡のようだ。その時の自分が伸ばしているアンテナに、言葉やシーンがひっかかる。心の奥深い秘密の部屋へ送り込まれるものもある。それらは、思わぬ時にフラッシュバック。。。
ちょうど3年前の今頃「海の上のピアニスト」(原題The legend of 1900)を観たのを思い出した。ちょうど転職を前に、心が揺れている時だった。大西洋の上で生れ、一度も船を下りなかったピアニストの伝説。「船に居て海を見続けていると海の声は聞こえない。海を陸から見れば、海の声が聞けるのか?」という主人公の問いかけに泣いた。自分は人生をどちら側に居て見るのか。今の自分は船の上?問いかけがずっと後を引いた。何故あんなに泣けたのか今となっては思い出せない。ただ、視座を変えるんだという強い思いが残った。
あーあれから3年が経つんだ。これで良かったのか?自信喪失と何も変えられないという挫折感を感じながらも、またそれを明日へのエネルギーにして日々を過ごしている。
全く異なるピアニスト映画2つ、心にぎざぎざを残している。ぼんやりしよっと。
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